要旨
本研究では、切り替え遅延(changeover delays: CODs)が反応を反応チャンクへと組織化しうること、そしてこれらの単位への弁別的制御が、並立変動間隔(variable-interval: VI)VI強化スケジュールにおいて観察される選好に寄与しうることを示す証拠を提示する。ハトを対象に2つの実験を実施した。いずれの実験でも、多元VI 30秒 VI 60秒、VI 30秒 VI 60秒の強化スケジュールを用いた。一方のVI 30秒スケジュールには、さらに2.5秒の切り替え遅延(COD)が付加された。訓練後、VI 30秒スケジュールに関連づけられた2つの刺激を対にした非強化プローブ試行を実施した。両実験とも、訓練中においてハトはVI 60秒スケジュールよりもVI 30秒スケジュールに対する選好を示した。この選好は、VI 30秒スケジュールにCODがプログラムされた対において、より極端であった。さらに、分子的反応パターンの分析により、CODの適用は急速な反応の離散的なバーストをもたらすことが見出されたが、これはCODが割り当てられたVI 30秒スケジュールに対してのみであった。最後に、プローブ中には、プローブ手続きが訓練された反応構造への弁別的制御を保持しているように見える場合にのみ、CODに関連づけられたVI 30秒刺激に対するペック(つつき)に基づく選好が観察された。要点
- ハトが2.5秒の切り替え遅延を伴う変動間隔スケジュール(VI 30COD)へ切り替えると、その反応は「切り替えバウト」、すなわち切り替えが極めて少ない急速なペックのまとまりへと組織化された。実験1において、VI 30CODスケジュールがそのVI 60秒対に対して示したペックに基づく選好は、通常のVI 30スケジュールが自らのVI 60秒対に対して示した選好よりも極端であった(M = 0.85 対 0.70, t(6) = 3.98, p < .001)。この見かけ上の優位性は、選好を滞在時間で測定した場合には消失し(M = 0.65 対 0.63, t(6) = .55, p = .59)、この余分なペックがより大きな価値ではなく反応構造を反映していることが示唆された。
- 切り替え遅延は、ハトがあるスケジュールに留まる時間を確実に長くした。VI 30CODスケジュールは通常のVI 30スケジュールよりも有意に長い滞在時間をもたらし(実験1では12.3秒 対 4.3秒, t(6) = 3.96, p < .001;実験2では8.92秒 対 4.66秒, t(6) = 8.44, p < .001)、CODと対になったVI 60秒スケジュールも、その対応スケジュールに対して同様の延長を示した(例えば実験1では4.33秒 対 2.98秒, t(6) = 3.06, p = .02)。また、ハトはCODスケジュールに入った最初の4秒間に切り替えて離れる可能性がはるかに低く、これは進入直後にまとまりのある反応チャンクが形成されることと一致していた。
- 2つのVI 30秒刺激を強化なしに対にしたプローブ試験は、実験間で一貫しない結果をもたらした。実験1では、ハトは通常のVI 30刺激をおよそ2:1で好み、これは反応および滞在時間の両測度において認められた(VI 30刺激についてM = 0.65および0.67)。刺激制御を保持するために従来のFindley手続きを用いた実験2では、逆に反応測度においてVI 30COD刺激を2:1に近い比率で好んだ一方(M = 0.62, SE = 0.07)、滞在時間の選好は示さなかった(M = 0.53, SE = 0.01)。これは、訓練された「切り替えバウト」がプローブに引き継がれるか否かが、手続き的な刺激制御に大きく依存することを示している。














